かつての大牟田市のまちなかは、商店や百貨店が集積し、また鉄道やバスなど多様な交通手段に支えられた地域として、周辺市町から多くの人が訪れる地域経済の中心として機能していました。しかし現在では、人口減少に加え、モータリゼーションの進展等により居住や消費が郊外化した結果、まちなかの居住者や来街者が減少し、空き家・空地・空き店舗等の低未利用地が発生する「都市のスポンジ化」が進行して、まちなかの活力が低下しています。

 一方、現在のまちなかは、福岡や熊本の都市圏とを結ぶJR や西日本鉄道の駅が複数存在するほか、市役所や郵便局など行政機関をはじめ、イノベーション創出拠点「aurea」や市民活動等多目的交流施設「えるる」、大型商業施設など、多様な都市機能・インフラが集積しており、今後の発展の可能性を秘めたエリアです。また周辺には、全国初となる「絵本美術館」を有する大牟田市動物園をはじめ新総合体育館「おおむたアリーナ」など賑わい交流拠点化が進む「延命公園周辺地区」や、帝京大学をはじめ広域から多くの集客がある諏訪公園や大型商業施設に加え新たに大規模な宿泊施設が進出する「岬町地区」などがあり、市内の拠点エリアとまちなかとの連携が期待されています。

 まちなか再生のためには、これらのポテンシャルを生かしながら、ハード・ソフト両面での取組みを行うと同時に、まちづくりのための「場」の提供を通して多くの人々をまちづくりに巻き込み、大牟田に関わる人や愛着を持つ人を増やして行くことが重要です。まちなか再生を進めることで「まちの価値」が高まり、それが他のエリアや郊外へと波及して、「都市全体の魅力や価値の向上」に繋げていく必要があります。

 今年3月には、公・民・学でつくる大牟田まちなか再生推進エリアプラットフォームにおいて、今後20年を目標としたまちなかの魅力創出及び活力の維持向上のため、エリアの将来像とその実現のための取組指針を定めた「大牟田まちなか再生未来ビジョン」が策定されました。こうした動きを受け、この度、未来ビジョンを実現するための推進組織として、公・民・学連携の「一般社団法人アーバンデザインセンターおおむた(UDC OMT.)」を設立することとしました。

 この未来ビジョン策定に続く推進組織の設立を契機として、大牟田らしい「まちなか再生」に取組み、目指す姿の「3つのWa(環・輪・和)」が実現し、魅力ある未来が創造されることを期待します。

 この主旨ご理解のうえ、ご協力をお願いいたします。

未来ビジョン実現に向けた事業推進

UDC OMT.ミッションは「大牟田まちなか再生未来ビジョン」の実現であり、その役割は同ビジョンで掲げられた6つのリーディングプロジェクトを推進することです。
大牟田まちなか再生未来ビジョン(以下、未来ビジョン)とは・・・将来的な大牟田の魅力創出及び活力の維持向上のため、概ね20年後を目標として、公・民・学で共有するエリアの将来像とその実現のための取組指針を定めたものです。

大牟田まちなか再生未来ビジョンのリーディングプロジェクト

大牟田駅周辺エリアの機能再編と顔づくり

空き家・空地を活用したまちづくり

新栄町駅を中心とした健康・福祉と賑わいのまちづくり

災害に強いレジリエントなまちづくり

人の力が光るイノベイティブな場づくり

多様なプレイヤーが関わるプラットフォームづくり

以上のリーディングプロジェクトを推進するにあたり、設立初年度を含む2ヶ年度を立上げ期として定め、担い手支援や投資環境の改善が見込まれる投資環境の改善など立上げ期に重要な事柄に絞り込み、次の5つのカテゴリに再編いたしました。

フィッシュボーン戦略 

 未来ビジョンの実現に向けてアクションを起こすにあたり、新栄町駅周辺と大牟田駅周辺、両駅を結ぶ西鉄・JR九州沿線の道を軸として位置づけ、重点的に事業を進めるエリアとしました。また、軸から伸びた支線にはこれからのまちなかの賑わい創出に向けた重要な拠点があり、今後仕掛けに取り組むにあたって有力なポイントが点在しているため、ネットワーク化を図ります。
 大牟田駅エリアと新栄町エリアをそれぞれ魚の頭と尻尾、その両者をつなぐ沿線を背骨に見立てて「フィッシュボーン戦略」と名付け、新栄町駅周辺と大牟田駅周辺を強く結びつけることで、徐々に周辺へとネットワークを拡大し、まちなかの活性化につなげていきます。

ロードマップ 

UDC OMT.は3つの段階に分け、未来ビジョンの実現を目指していきます。

2025-2026年

  • 各種調査、データベース作成
  • 各エリア別方針策定
  • 検討体制(協議会等)組成
  • 空き家・空地利活用促進
  • プラットフォーム組成

2027-2028年

  • 各事業で社会実験の実施
  • 現庁舎利活用策検討
  • 空き家・空地利活用事業化
  • プラットフォームモデル化

2029-2031年以降

  • 大牟田駅周辺再編
  • 新栄町周辺エリア再編
  • 空き家・空地利活用モデル構築
  • プラットフォーム運用

構成団体

公共/大牟田市
民間/大牟田商工会議所、大牟田柳川信用金庫
大学/有明工業高等専門学校、帝京大学福岡医療技術学部
この他に一般社団法人の会員(正会員、賛助会員)として民間等が参画。

理事会

代表理事/糸永 一平(大牟田商工会議所 副会頭)
副理事長/正木 哲(有明工業高等専門学校 准教授)
副理事長/奥薗 征裕(大牟田商工会議所 専務理事)
副理事長/副枝 修(大牟田市 副市長)
理事/三原 太(帝京大学福岡医療技術学部 学部長)
監事/柗原 誠(大牟田柳川信用金庫 理事長)

特別顧問

板床 定男(大牟田商工会議所 会頭)

顧問

出口 敦(東京大学 執行役・副学長)

アドバイザー

高崎 繁行(T-Lab合同会社 代表)

UDC OMT.は、正会員・賛助会員の2つの会員で構成されています。

正会員

賛助会員