2026年4月24日(金)18:00よりカタルバオセロ(大牟田駅東口)にて、
くべり手に、UDCOMT.フェロー 竹林 知樹氏(株式会社 Takebayashi Landscape Architects 代表取締役)をお迎えし、
『第5回TAKIBEE 公共空間は“つくる”より“育てる” -市民参加で水辺・まちの価値を上げる設計と運営-』
を開催しました。

当日は、約20名が参加しました。
はじめに、副センター長よりご挨拶いただいた後、竹林氏より、「公共空間は完成して終わりではなく、時間とともに育てていくもの」という視点のもと、各地の実践事例が紹介されました。
■ 1. 風景を「修復する」という視点
まず事例としていただいたのは「直方市の遠賀川沿いにある直方リバーサイドパークを再生した、「遠賀川 直方の水辺」プロジェクトです。
河川空間の再編では、単に新しくつくるのではなく、既存の地形や自然の関係性を読み解き、「眠っている価値を引き出す」ことが重要であると語られました。
かつては安全性を優先し単調に整備された河川敷に対し、地形に変化を持たせ、水辺に近づける空間へと再構築。人の活動と自然の営みのバランスを丁寧にデザインすることで、多様な使い方が生まれる空間へと変化しました。


■ 2. 余白が使い方を生み出す
大きなイベントのための空間は、日常では使われにくいという課題があり、そこで、日常的にも使える「余白」を持った空間へと転換することで、寝転がる、遊ぶ、滞在するなど、多様な過ごし方が可能となりました。
「何もない時間も絵になる場所」をつくることが、公共空間の価値を高める重要な要素であることが共有されました。
■ 3. つくった後に「育てる」仕組み
完成後も使われ続ける空間には、関わり続ける人の存在があります。
市民や行政が一体となり、ワークショップや対話を重ねながら関わることで、空間は徐々に育ち、利用が広がっていきます。
実際に、市民(特に子育て世代)が整備前から意見交換に参加し、川の利活用ビジョンを共有するなど、10数年が経過した今でも、活動は世代交代しながら継続され、NPOを中心に市民主体で水辺空間を育てている点を紹介された。「つくること」と「育てること」が一体である重要性が示されました。

■ 4. 場所の「らしさ」を取り戻すデザイン
別の事例の香川県さぬき市の国立公園「大串自然公園」で取り組まれた活性化施設「時の納屋」プロジェクトでは、地域本来の植生や素材を活かしながら空間を再編することで、その土地ならではの風景を再生する取り組みが紹介されました。
この取り組みにおいても、市民が外来種の整理や在来種の育成、草刈りなどの作業にも継続的に関わり、時間をかけて環境を育てていくプロセスを組み込むことで、「育て続ける関わり」が地域に定着し、地域固有の風景と持続的な利活用が実現されていきました。

■ 5. 大牟田への示唆
後半では、大牟田における可能性として、鉄道跡地など既存ストックの活用についても言及がありました。使われなくなったインフラや空間も、視点を変えれば新たな価値を生み出す資源となり得ます。国内外の事例を踏まえながら、大牟田においても「つくる」だけでなく「育てていく」公共空間のあり方について議論が深まりました。
くべりタイムの後は、参加者同士でお酒を酌み交わしながらの懇親会を開催。
対話の中で生まれた気づきやアイデアが交わり、新たなつながりが生まれる時間となりました。今回のTAKIBEEは、「対話から、まちが動き出す」その可能性を実感する場となりました。ここで生まれた火種を、それぞれの実践へとつなげていくことが、これからのまちづくりの力となっていきます。
今後もUDCOMT.は「TAKIBEE」を通して、語り・気づき・関わりが循環する場として、継続してまいります。
ご参加いただいた皆さま、誠にありがとうございました。
